豊丸産業がパチンコ事業停止 66年の歴史と“変な台”という遺産
取材で全国のホールを回りつつ、空き時間があれば結局シマに座っている元パチプロライターです。今日は正直、書いていて気分の上がらないニュースです。
豊丸産業、7月31日でパチンコ事業を停止
2026年7月28日、豊丸産業株式会社(名古屋市)がパチンコ事業の停止を正式発表しました。同社は「パチンコファンの皆様へ 当社パチンコ事業停止に関するお知らせ」を公表し、7月31日をもってパチンコ事業を停止すると発表。理由は「昨今の事業環境および経営状況を踏まえ、慎重に検討を重ねた結果」と説明されています。
日本経済新聞の報道によれば、31日に事業を停止したうえで、8月末には東京と大阪の営業拠点も閉鎖するとのことです。
SNSでは数日前から「社員に通達があった」という話が流れており、界隈はざわついていました。それが正式発表という形で確定した、というのが今回の流れです。
今ホールにある台はどうなる? 初心者が最初に気にすべき点
「明日から打てなくなるの?」と不安になった人へ。そこは落ち着いて大丈夫です。
| 気になること | 発表内容 |
|---|---|
| 設置済みの台 | 直ちに遊技できなくなるものではない。各遊技機の検定期間内であればホール判断で継続設置・運用される |
| 公式サイト・SNS | 現時点で直ちに閉鎖予定はなく、更新頻度は落ちるが可能な範囲で発信を継続 |
| 営業拠点 | 8月末で東京・大阪の営業拠点を閉鎖 |
とはいえ、メーカーが新台を出さない以上、ホール側が入れ替えのタイミングで抜いていくのは自然な流れです。「打ちたい台があるなら、早めに」というのが現実的な判断になります。
1960年創業、66年の歩み
豊丸産業の設立は1960年5月20日。「ピカイチ天国」「CRコマコマ倶楽部」「ナナシー」といった人気機種を送り出したほか、近年は高齢者向け福祉施設への導入を想定した「トレパチ!」や、ダイナムとのPB機開発にも取り組んでいました。
ここが豊丸という会社を語るうえで外せないところで、この会社、ずっと「変な台」を作り続けていました。
異業種コラボの常連だった
寿司チェーンとのタイアップ機『Pすしざんまい極上5700』は、その象徴みたいな一台です。数多くのギミックをクリアして図柄変動までもっていく玉の動きが特徴で、大当たりになれば48回セットで約5760個の出玉を獲得できる役物機でした。液晶で殴り合う時代に、真正面から役モノで勝負してくる。
そのほか美容外科クリニックとのタイアップ機、そして芸人とのコラボ機と、ラインナップの並びだけ見ても明らかに他社と毛色が違います。企画会議をどう突破したのか気になる台が定期的に出てくるメーカーでした。
最後の新台も、やっぱり尖っていた
2026年6月に登場した『遊moreLT PエガブレイブVVV』は、LT搭載の羽根モノで、大当り履歴がLT突入契機になるという業界初の機能を搭載していました。3連続10R、W図柄、E(3R)→G(4R)→A(5R)の順に引く「おまけルート」など、突入条件が複数用意された変わり種です。
最後の最後まで「新ジャンルを作る」と言い続けていたわけで、そこは素直にすごいと思います。
ユーザーの反応
SNSの反応は、惜しむ声が圧倒的多数。ただ、それだけでは終わっていません。主なものを要約して紹介します。
- 「ナナシーやコマコマ倶楽部で遊んだ思い出がある。長い間ありがとうと言いたい」という声(惜別・感謝の反応要約)
- 「バラエティコーナーを支える個性派メーカーが減り、大量導入されるメイン機ばかりが残る業界に未来はない」という指摘(業界構造への懸念の反応要約)
- 「最後の新台の評価が芳しくないまま終わってしまったのが残念でならない」という指摘(批判寄りの反応要約)
- 「有名企業や芸人とのコラボを次々に実現していたのに、それでも厳しかったのかと驚いた」という声(現状を受け止める反応要約)
- 「検定期間内なら打てると聞いて安心した。近所のホールで打ち納めしてくる」という声(前向きな反応要約)
個人的に重いと感じたのは2つ目です。「面白い台を作る会社から先に消えていく」という感覚は、ホールを回っている身として否定しづらいものがあります。
元パチプロとして正直に言うと
身も蓋もない話をすると、豊丸の台は期待値稼働の対象になりにくいジャンルが中心でした。役モノ機や羽根モノは、釘と寝かせの影響が大きく、ホールの調整次第で価値が吹き飛びます。打ち手が数字で追いかけづらい台は、稼働も伸びにくい。
ただ、私はプロをやめてから、こういう台の価値がむしろ分かるようになりました。玉の動きを目で追って一喜一憂する時間そのものが面白い。液晶を見ずに済むパチンコって、実はかなり贅沢なんですよ。
今回の件を「業界の縮小」の一言でまとめるのは簡単ですが、失われるのは会社だけでなく“選択肢”のほうだと思っています。
初心者・中級者が今できること
| やること | 理由 |
|---|---|
| 設置店を検索して打ちに行く | 検定期間内は稼働可能。ただし入替のタイミングで抜かれ始めるため、時間の猶予は無限ではない |
| バラエティコーナーを一度見て回る | 個性派メーカーの台はこの島に集まりがち。存在を知らないまま消えていく台が一番もったいない |
| 噂と正式発表を切り分ける | 今回もSNSで先行して情報が拡散していた。判断の根拠はメーカー公表文に置く |
| 「打ち納め」でも予算は決める | 感傷は財布と別会計にする。ここだけは元プロとして譲れない |
まとめ
66年やってきた会社が、7月31日で一区切りを迎えます。ヒットを量産する巨人ではなかったけれど、ホールの端っこに「これ何?」と足を止めさせる台を置き続けた会社でした。
私は今週、取材先のホールで羽根モノの島を少し長めに見て回るつもりです。打ち納めというより、記録を取りに行く感覚に近いかもしれません。
※本記事は2026年7月28日時点の公開情報に基づきます。事業停止の発表内容はPiDEA X(2026年7月28日)、営業拠点の閉鎖時期は日本経済新聞(同日)、機種情報はP-WORLD、パチンコビレッジ、K-Naviの掲載情報を参照しています。ユーザーの反応はSNS上の投稿を要約したもので、原文の引用ではありません。
パチンコ・パチスロは18歳になってから。適度に楽しむ遊びです。のめり込みに注意しましょう。