公開日:2026年9月13日
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9月だけで京一系2,400台超が消える 閉店は続くのに売上は増えている謎

正直、気が滅入るニュースが続きます。

同じ日に、複数店の閉店が報じられた

閉店情報を追っているアカウントが、同日に複数の閉店を投稿していました。

報じられている内容を整理すると、こうなります。

店舗所在閉店日総台数
京一高槻店大阪府高槻市9月23日1,041台
マルチャン鶴ヶ島インター埼玉県9月18日386台
B2-ZONE各務原店岐阜県9月6日286台

ハッシュタグは「#閉店ラッシュ」。すっかり定着してしまった言葉です。

京一系だけで、2,400台超が消える

そして、ここが重い。

先日、大阪ミナミの「キョーイチミナミ店」が9月23日で閉店し、11月頃にクレーンゲーム店へ転換するという記事を書きました。報じられている規模は1,403台

今回の高槻店1,041台と合わせると——

同じ9月23日に、同じグループで2,444台が営業を終えます。

これは「店が減った」という話を超えて、グループ単位の撤退に見える規模です。

運営会社について

両店を運営するのは松原興産です。

京都府京都市伏見区に本社を置く総合アミューズメント企業で、京都府・大阪府を中心にパチンコホール「キョーイチ(京一・KYO-ICHI)」「新天地」等をチェーン展開。ボウリング場、カラオケ店、ゲームセンター、飲食店も運営しており、大阪・難波の一等地には大型商業ビル「エスカールなんば」も所有しています。

1979年に京都市伏見区で設立(創業は1966年)という、60年の歴史を持つ会社です。

注目すべきは、もともと多角経営の会社だという点。 ゲームセンターも運営しており、クレーンゲーム店への転換はまったくの新規参入ではありません。

つまりこれは、破綻ではなく事業ポートフォリオの組み替えと見るのが自然です。

現場は、かなり前から厳しかった

興味深い記録が残っていました。

京一高槻店について、2023年12月に書かれた口コミです。

廃墟としか言いようがない。平日の昼間12時過ぎても、スロを打っている人が全体で10人もいない。300台以上あるのに。だだっ広い店内、誰もいない島で一人で打つと、パラレルワールドに迷い込んだかのような錯覚さえ覚える。もちろんベタピン据え置き。新台はマメにまとまった数入っているが、初日も島で箱を使っている人が1人だけだった。

3年近く前の時点で、すでにこの状態だった。

B2-ZONE各務原店についても、小さなスロット専門店。お客様の大半を周辺のホールに取られているのか、稼働は常に低い状況でした、という記録があります。

今回の閉店は、突然の決定ではありません。 長い時間をかけて進行していた結果が、今、表に出ているだけです。

ここからが本題:売上は増えている

そして、どうにも腑に落ちないのがここです。

これだけ店が消えているのに、業界の総売上は増えています。

先日も扱った帝国データバンクの調査を再掲します。

指標2025年の数字
ホール経営法人数1,130社(2016年比54.7%減)
総売上高12兆433億円(前年比2.8%増、2年連続増加)
12兆円超え2020年以来5年ぶり

会社の数は半分になり、売上は5年ぶりの高水準。

1社あたりで見ると

この矛盾、割り算すると解けます。

12兆433億円 ÷ 1,130社 = 1社あたり約106億円

2016年の2,492社で同じ売上を分けていたら、1社あたり約48億円。残った会社の取り分は、単純計算で倍以上になっています。

つまり「業界が縮んでいる」のではなく、「業界が集約されている」というのが正確な表現です。

ただし、中身は良くない

ここで安心してはいけません。売上の増え方に問題があります。

これまで扱ってきた数字を並べます。

指標動き
総売上高増加(12兆433億円)
4円パチンコのアウト3年連続で過去最低
平均玉単価2025年7月に史上初の2円突破
遊技歴20年以上50%以上

打ち込まれた玉は過去最低。それでも売上は増えている。

答えは単価です。同じ人数から、より短時間で、より多く取る構造に移行している。

先日、この構図を書いたときにも触れましたが、売上の回復は「客が長く楽しめるようになった」証拠ではありません。

ユーザーの反応

この連続閉店への反応を要約して紹介します。

  • 「4桁台の店が消えるのは、さすがに規模が大きすぎる」という声(規模に驚く反応要約)
  • 「同じグループで立て続けというのは、方針転換と見るべきだろう」という指摘(構造を読む反応要約)
  • 「稼働の低さは前から言われていた。今さらという感じもある」という指摘(現場を知る反応要約)
  • 「店が減っているのに売上が増えているのが理解できない」という指摘(矛盾を突く反応要約)
  • 「近所の選択肢が減るだけ。打ち手には何の得もない」という声(実害を挙げる反応要約)

4つ目と5つ目、どちらも今日の主題です。

で、業界はどこへ行くのか

正直なところ、私にも分かりません。ただ、見えている方向はいくつかあります。

①集約は、まだ止まらない

帝国データバンクの調査では、赤字企業の54.7%が2期連続赤字とされています。そして2026年は6月までに倒産14件で、前年(年間16件)を上回るペースです。

次の脱落は、もう始まっています。

②残った店は、より大きくなる

1社あたり約5店舗、売上約106億円。残る会社は確実に強くなります。

先日書いたとおり、寡占が進めば競争圧力は下がり、調整は緩まない。打ち手にとっては、安定と引き換えに旨味が減っていく展開です。

③業態転換という出口

そして、キョーイチミナミが示した道。クレーンゲーム店への転換です。

立地も建物もノウハウも使え、年齢制限のハードルが下がり、機械代の負担構造も変わる。「畳む」のではなく「業態を変える」という選択肢が、明確に存在している。

ただし、こちらにも供給過多と取れやすさ競争という警告が出ています。パチンコが1990年代に通った道と、構造的に同型だという指摘です。

まとめ:それでも、今日も打ちに行く

9月23日、同じグループで2,444台が営業を終えます。3年前から「廃墟のようだ」と書かれていた店も、その一つです。

一方で、業界の総売上は2年連続で増加し、5年ぶりに12兆円を超えました。店は減り、会社は減り、それでも金は動いている。

この業界がどこへ向かうのか、正直まったく読めません。

ただ、こういう記事を書いた日でも、私は結局ホールに行きます。そして、たぶんジャグラーの島に座ります。

数えて、待って、ランプが光るのを見る。市場がどうなろうと、あの数分間だけは変わらないので。

近所の店が、来年もそこにあることを願っています。


※本記事は2026年9月13日時点の情報に基づきます。閉店・運営会社に関する記述は各種公開情報を参照しています。業界統計は帝国データバンクの調査を参照しています。投稿の内容および反応はSNS上の投稿を要約したもので、原文の引用ではありません。

パチンコ・パチスロは18歳になってから。適度に楽しむ遊びです。のめり込みに注意しましょう。

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