公開日:2026年9月20日
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パチンコチェーンがクレーン店を「新規出店」 跡地利用とは意味が違う

先日、大阪のホールがクレーンゲーム店へ転換するという記事を書きました。そして今日、北海道で似て非なる動きがありました。

ベガスベガス初のクレーンゲーム専門店

まず事実から。

全国39店舗のパチンコホール《ベガスベガス》を展開するベガスベガスは9月17日、同社初となるクレーンゲーム専門店《ゲット・ゲーム函館北斗店》(北海道北斗市)を9月19日にグランドオープンすると発表しました。

同社はこれまで札幌市内でゲームセンターを展開してきましたが、クレーンゲーム専門店の出店は今回が初めて。新店舗を「地域の新しい遊び場」と位置付け、パチンコ事業で培ってきた空間演出や接客を生かした店舗づくりを進めるとしています。グランドオープンに先立ち、9月18日12時からは函館市、北斗市の居住者を対象とした地域先行プレオープンを実施。通常営業時間は10時から23時です。

規模と中身

台数がなかなかのものです。

店内には、クレーンゲーム130台(248ブース)、台湾キャッチャー22台、ミニクレーン30台(120ブース)、ガチャ12台(108ブース)を設置。クレーンゲームなど190台以上を揃え、初心者や子どもを含む幅広い層が楽しめる店舗を目指す、とのこと。

種別台数
クレーンゲーム130台(248ブース)
台湾キャッチャー22台
ミニクレーン30台(120ブース)
ガチャ12台(108ブース)

コンセプトが振り切っている

ここは素直に面白い。

「海賊×宝探し」をコンセプトに、店舗を「未踏の宝島」、店内のプライズを「お宝」、来店客を宝探しに挑戦する「海賊」に見立てた空間を展開。オリジナルキャラクター「キャプテンGG(ジージー)」を設定し、スタッフも海賊風のコスチュームで来店客を迎える。

スタッフが海賊の格好をしている。 ホール運営で培った空間演出を生かす、という説明でしたが、確かに振り切り方はパチンコ業界的です。

ここが本題:これは「転換」ではない

SNSでは「またクレーンか」という既視感が先行していました。大阪のクレーンプラネットと同じ流れ、という読み方です。

ただ、中身はかなり違います。

キョーイチミナミゲット・ゲーム函館北斗
形態閉店して転換新規出店
元の施設1,403台のホール新設
パチンコ店の数1店舗減る減らない
位置づけ撤退・組み替え多角化・拡大

ここが決定的です。

大阪のケースは「パチンコをやめて、クレーンに変える」という話でした。結果として、その地域からホールが一つ消えます。

今回は違います。函館市内では《ベガスベガス》7店舗を運営しており、隣接する北斗市七重浜エリアに出店する同店は、函館近郊では同社初となるパチンコ以外の新業態店舗とされています。

ホールは7店舗そのまま。そこにクレーン店を追加した。

撤退ではなく、事業の追加です。

なぜこの会社にできたのか

ここも整理しておきます。

ベガスベガスは現在、パチンコ事業を中心に、ゲームセンターやフード、温浴など幅広い事業を展開しています。

もともと多角経営の会社だった。 しかも札幌でゲームセンターを運営した実績がある。

そして興味深いのが、大阪のケースも同じだったということです。

先日書いたとおり、キョーイチを運営する松原興産もボウリング場、カラオケ店、ゲームセンター、飲食店を運営し、難波には商業ビルも所有している会社でした。

会社もともとの事業
松原興産パチンコ+ボウリング+カラオケ+ゲーセン+飲食+不動産
ベガスベガスパチンコ+ゲームセンター+フード+温浴

どちらも、すでに多角化していた会社です。

つまりクレーンゲーム店に行けるのは、「パチンコ専業ではない会社」だということ。 ここは見落とせません。

専業ホールには、この選択肢がない

逆に言えば、パチンコ一本でやってきた会社には、簡単に真似できないということです。

  • 他業態の運営ノウハウがない
  • 景品の仕入れルートがない
  • 人材の配置転換が難しい
  • そもそも新規出店の資金がない

先日、法人半減の記事で書きました。赤字企業の54.7%が2期連続赤字。 この状況で新業態に出られる会社は、そう多くありません。

「クレーン店が増えている」という現象は、体力のある会社の動きに偏っているということです。

市場としては、追い風が吹いている

数字も再掲しておきます。

指標数字
プライズゲーム売上(2023年度)3,643億円
アミューズメント業界に占める割合68%
市場規模(2023年度)7,200億円、前年度比5.0%増

そして郊外では、8月だけで全国に10店以上が開業という報道もありました。

市場が伸びているから、参入が続く。 極めて分かりやすい構図です。

今回の立地も理にかなっている

北斗市七重浜エリアという場所。函館市に隣接する郊外です。

クレーンゲーム専門店の最近の傾向として、郊外型で、生鮮品や日用品を景品にする「倉庫系」が急増しているという報道がありました。客単価6,000円超の店もあるとのこと。

今回の店舗がその路線かは分かりませんが、「海賊×宝探し」というコンセプトと、子ども・初心者を明記したターゲット設定を見る限り、ファミリー層を狙った作りなのは間違いないでしょう。

ユーザーの反応

この件への反応を要約して紹介します。

  • 「またクレーンか、という感想になってしまう。同じ流れが続いている」という指摘(既視感を挙げる反応要約)
  • 「大阪の転換と違って、こちらは新規出店。意味合いが違う」という指摘(区別する反応要約)
  • 「190台以上の規模は地方としてはかなり大きい。地域の遊び場にはなりそう」という声(規模を評価する反応要約)
  • 「パチンコ店が減らずに増えるなら、地域にとっては悪くない話だ」という声(前向きに捉える反応要約)
  • 「参入が続けば、いずれ取れやすさ競争になるのでは」という指摘(将来を懸念する反応要約)

5つ目、これは先日も紹介した懸念です。

「取れやすさ競争」という警告

前回の記事でも引用しましたが、改めて。

参入障壁の低い業態では、利益が出ている限り供給者が流入します。そして供給過多になると「取れやすさ競争」が起きる。これはパチンコ業界が1990年代に経験した出玉競争と構造的に同型——という分析です。

しかもクレーンゲームはパチンコより客単価が低い分、集客がわずかに落ちただけで採算割れに転じやすいとも指摘されています。

今は伸びている。だから参入が続く。そして数年後に何が起きるか。 ここは冷静に見ておくべきところです。

まとめ

大阪では1,403台のホールが閉じてクレーン店になり、北海道では7店舗のホールを維持したままクレーン店が増えた。

同じ「パチンコ会社がクレーン店を出す」でも、意味はまったく違います。

意味
転換撤退。地域からホールが減る
新規出店多角化。ホールは減らない

そしてどちらも「もともと多角経営だった会社」が動いているという共通点があります。

パチンコ専業の会社には、この選択肢がない。だから閉じるしかない。 今年の閉店ラッシュの背景には、こういう差もあるのだと思います。

打ち手としては、ホールが減らない形の多角化のほうが、当然ながらありがたい。ベガスベガスのやり方が続くなら、それは悪い話ではありません。


※本記事は2026年9月20日時点の情報に基づきます。店舗情報は各種公開情報を参照しています。投稿の内容および反応はSNS上の投稿を要約したもので、原文の引用ではありません。

パチンコ・パチスロは18歳になってから。適度に楽しむ遊びです。のめり込みに注意しましょう。

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